投資から環境問題を読み解く
“ロハスな投資”がモットーのロワゾベールを主催されている田中久美子様に投資家の立場として環境ビジネスをどう見てらっしゃるかご意見を伺いました。ブログも掲載されています。http://www.loiseau-vert.com/style.html
Q. 投資家としての立場から、今後のエコビジネスはどう見ていますか?
「まずこれから社会でニーズが高まるであろう、食料・水・エネルギー・資源・健康に関連する銘柄には注目しています。
特に水に関連しては“ウォーターファンド”と呼ばれるものが国内でも発売されましたが、発売開始からわずか1年で投資信託が2倍になるなど既に市場が注目しているものもあります。水関連のマーケットは2005年60兆円でしたが、2025年には110兆円マーケットになると予測されています。
特に注目しているのは、海水の淡水化ビジネスです。新興国が台頭し益々淡水の需要は高まる一方、淡水も限りある資源です。おそらくこの分野は年率10%台で成長し、2025年には4400億円市場になるでしょう。エコビジネスは長期的に伸びる可能性が十分あると思いますし、長期投資家としては、社会を良くしていくためにも注目すべき分野だと思います。」
Q. 日本の会社はエコ技術がすごいと聞いたのですが…?
「例えば先ほどの、東レや旭化成、東洋紡といった会社が海水淡水化の素晴らしい技術を持っているんですよ。また、省エネ、リサイクルに関しても素晴らしい技術を持っています。
また、皆さんもご存知のようにエネルギー問題で、バイオエネルギーが現在注目されています。環境に貢献することは歓迎すべきですが、とうもろこしの価格高騰により食料が買えない人が出ているのも現状なのです。このような状況では、やはり少しでも廃棄物のリサイクル率を上げられるかが重要となってきます。
ところで日本は納豆等伝統的に優れた発酵技術を培ってきました。人間にとっての廃棄物も、自然界の大きな営みの中では、立派な資源なのです。そのリサイクルの重要な役割を果たすのがバクテリアです。バクテリアを使った発酵技術を使えば、生ゴミを資源に、枯葉を食糧に、水と光から水素エネルギーを生み出すことも可能になります。この発酵技術こそが、地球に負担をかけず自然の力でリサイクルできるという素晴らしい可能性を秘めていると思います。」
Q.現在は、投資家でも環境に関心を向けつつある人が増えていて頼もしいですね!
「そうですね。しかし、現在の環境問題の扱われ方はただのブームではないかと疑問を感じる点もあります。私としては、投資の王道は、その会社を本当に応援することだと思いますので、この問題にも長期的に取り組む投資家が増えることを望んでいます。
現在、マーケットでは、エコビジネスが大きな注目を集めています。しかし、その内情を詳細に調べていくと、IR活動の一環として単なるお題目を掲げているだけの企業も多く存在するのが現状です。みなさんも、もっとシビアな目で、エコビジネスを評価していく必要があるでしょう。」
Q.なるほど確かに資本主義と環境保護の両立は難しい側面もあると思います。
「そうなんです。言ってしまえば、環境保護はグローバル化の対極にあるものです。
もし地球環境を本当に守るとしたら、経済は小さなコミュニティとして成立するべきなんです。つまり地産地消ですね。ここまでになると、本当に環境問題に取り組んでいる会社で上場しているところは少ないですし、収益を上げることも困難な会社が多いのが現状です。
やはり現在の経済の仕組みからもう一歩先をいかなくてはこの問題を完全に解決するのは難しいでしょう。」
投資家としての視点だけでなく、一市民として考えさせられるお話でした。私たち自身が、どうゆう社会を作っていきたいかをきちんと考えていくことが大切なんですね。投資は、その強力な手段になりえると実感しました。田中さんありがとうございました。
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