東京ミッドタウンから見えてくる日本経済 その1
六本木の異空間
雑然とした六本木の街でこの場所だけは異空間。
エンランスには竹が立ち並び、奥にはここが都心のビルだと忘れるほどの広々とした緑が広がっていて、様々な年代の人々が腰をおろし思い思いにくつろいでいる。
今年一番の東京の新名所といわれている東京ミッドタウンは、3月3日にオープンして以来、連日メディアに取り上げられ、ゴールデンウィーク中の人気観光地の一つにもあげられた。
三井不動産によると「都心の上質な日常」がテーマとのことで、商業施設だけでなく、オフィス、住居、公園、病院なども近接している建物自体が「一つの街」と呼べる複合施設となっている。
また、世界No.1と呼び名高い「ザ・リッツ・カールトン東京」など、4粒入りで2800円のチョコレートや1万円のボトル入りウォーターなど今話題の富裕層向けビジネスの中心地として今後の動きが注目されそうだ。
「新しいコンセプト」
六本木には、既に六本木ヒルズという競合がいるため、差別化を図ったということは容易に想像できる。
特に六本木ヒルズの複雑な建物の構造に対し、東京ミッドタウンはシンプルな構造で、見通しやすい空間作りとなっている。
空間を広々と使っており、「六本木という一等地なのに、この何もない空間だけで自分の部屋の倍ある・・・。」と言う声すら聞こえた。
実は、非売り場面積増加は、近年のショッピングセンターの傾向である。これからの時代は、ただ単に安くするだけでなく、憩いの場となるような工夫がないと集客が難しいのだという。
緑と木材を多用した日本的なデザインや、サントリー美術館をはじめ、日本の伝統的な工芸品販売店など、日本文化の発信地としてのフロアが設けられているのも新しい。
六本木に住む外国人のみならず、世界中の人々をこの街に呼び込もうという気概が感じられた。
夜の街から昼の街へ
周辺商業施設も東京ミッドタウン効果でここ最近売上が伸びている。オープン前よりも「観光目的の地方からの人が増加した。」とある飲食店関係者は語る。
しかし、「一時的なもので、またすぐに落ち着きを取り戻すだろう。それに、平日は特に変化はない。」とも。六本木という土地柄、飲食店同士の競争は激しく東京ミッドタウンが出来たから安泰というわけにはいかないようだ。
一見六本木の街全体では、大きな変化はなさそうである。しかし、「六本木ヒルズができて以来、街が少しずつ綺麗になってきた。」と語るタクシーの運転手。そして、東京ミッドタウンの影響で、六本木のオフィス賃料は全体的に上昇している。
水面下で六本木は大きな変化を遂げつつあるのかもしれない。























