●都市間の国際競争
六本木再開発の例に見られるように、日本では国・自治体と企業が一丸となって東京の都市開発を進めています。地域の商店街の衰え、格差の拡大などといった弊害を生み出すリスクが伴うにも関わらず、なぜ日本は国を挙げてまで東京の国際的な金融拠点としての都市力をつけようとしているのでしょうか。
実は今、世界では国家間だけでなく都市レベルでの国際的競争力が問われているのです。交通や通信インフラの発展による世界のフラット化に伴い、経済的生産性の高い富裕層の人々ほど『どの都市で働くか』ということを自由に選ぶ時代になりつつあります。お金を動かし、価値を創造するのは人。都市の経済的存在感はそこにいる人的資本に依拠します。そこで、各都市は流動的な人材を確保し都市の発展をはかるためにいかに自分たちをデザインしアピールするかということに力を入れているのです。
●世界の大都市
ニューヨークやシリコンバレー、ロンドンといった世界の大都市を見てみましょう。
大学や研究所・専門学校といった高等教育施設が充実し、景観が整備され、レクリエーション・ショッピングを楽しむことができます。これらの都市は人的資本を呼び込むことに成功し、国際的金融都市として機能しています。また、世界経済フォーラム(WEF)による2006年世界競争力指数で競争力第1位となったスイス(6位にアメリカ、日本は7位)は、研究所のレベルの高さ、大学と民間企業の協力体制、成人教育の充実、そしてインフラ ( 鉄道、道路、情報ネットワーク ) や行政の面の充実が評価されました。
人々は自分の価値観や仕事によって都市を選びますが、やはり経済的な存在感を持ちエネルギッシュな都市は多様で経済的生産性の高い人材を引きつけます。人々から評価された都市には経済が集約化し、人が人を呼ぶ状態となり、よりよいサイクルへとつながっていくのです。
●これからの都市開発
2007年5月23日付け日経新聞によると、NY市が2007年を目処にイエローキャブを全てハイブリッド車に切り替えると発表したそうです。これはニューヨーク市を走る車を32,000台減らしたのと同じ効果があり、1台年間10,000ドルの燃費も節約できるとのこと。CO2削減による直接的なメリットという効果もさることながら、環境への配慮がある都市として人々に与える印象は、見えない効果として都市のブランド力を上げることになるでしょう。
地球温暖化対策への関心が世界的に高まる中、エコは都市力を上げるための重要なキーワードの一つとなるでしょう。そういった意味でも、緑化をコンセプトの一つに掲げる東京ミッドタウンの存在は、六本木の異端児ではなく、変わりゆく東京のこれからを映し出すシンボリックな存在だと言えます。
(編集後記)NOW, NO MESSAGE !
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