2007年6月7日 株式会社ジェイティップス 代表取締役 川口 環氏 インタビューログ
川口様は新卒でTOTOに入社されていますが、その経緯について教えてください。
私が就職活動をした平成2年は、ちょうどバブル期ということもあって超売り手市場でした。まわりに就職活動でさほど悩んでいるひともいませんでしたし、OB訪問をすればあとは1回程度の面接くらいですぐに内定をもらえる、というような時代でした。
私はメーカーを希望しており、志望していた3社のうちTOTOから一番早く内定を頂いたので、そのままあまり深く考えずに入社を決めてしまいました。
TOTOではどういったお仕事をされていたのでしょうか。
社会人一年目での配属は、京都での営業職でした。あとで知ったのですが、実は京都エリアは業界で最も営業が困難な地域のひとつといわれていました。そんな環境で働く中で、”
働いてお金をもらうということ”の意味を理解していきました。深い思慮のないまま就職をした私でしたが、ここでのしんどい営業を5年間続けたことが、自分の人格を大きく変えたと思っています。これでも営業成績はそこそこ良かったんですよ(笑)
その後、5年経ったころにTOTOで高齢者向け事業を立上げるということになり、Revlis事業本部という部署に異動になりました。
※「Revlis」 とは、「Silver 」 を逆さにした当時のTOTOブランド名称
ここでの仕事は営業とはガラッと変わって一日中デスクワークというパターンが多く、どんなに頑張っても短期間で成果の見えにくい企画系の仕事でした。ルーチンワーク的なものがあまりなく、毎日新しい話題のなかで業務を進行していかなければならないので、それまでに欠けていた多様性とか柔軟性みたいなところを鍛えられましたね。
しかも、新規事業と言っても当時は非常に少人数の零細な事業部でしたので、毎日朝から晩まで大車輪で働き、走りまわってましたね。
大企業に勤めていらっしゃる中で、独立を考え始めたのはいつ頃でしたか?
ちょうど30歳を過ぎたころだったと思います。実は、自分でもあまりその理由を理解できていないのですが、なんだかTOTOでの自分の仕事をやり尽した感があったころであったり・・・、サラリーマンとしての自分の将来像に魅力を感じられかったり・・・とか、いろいろな思いが複合されて「 独立する」 ということへのトリガーになったのだと思います。うまくいえませんが「 会社の外の世界に出たときに果たして自分がいまどの位置に知りたい!」 という欲求があったのは事実ですね。

当時から深く関わっていて、興味を持っていたのがインターネットを使ったセールスプロモーションの企画。普通はすべて制作会社とか広告代理店に頼むんですけれど、私は自分でやっていましたね。そこにはまっていったこともあり、会社を辞めてフリーでプランナーを始めたのが7年前です。
独立から現在までの経緯について教えてください。
最初からコミュニケーションをデザインする仕事をやりたい、というビジョンを持って独立しました。当初は仕事があれば何でもやっていたという感じですね。HPの制作などの他に、イベントの設営などの仕事も請け負ってやっていました。最初は正式に登記して事業を行っていたわけではないのですが、取引先様からの後押しもありすぐに法人化することになりました。
そして昨年8月に、制作受託だけではなく、これまで培ってきたさまざまなノウハウを活かして自社媒体を持ちたいという想いがあり、有料老人ホームの情報サイト“有料老人ホーム探しっくす”をオープンさせました。
介護ビジネスに興味を持っているのですが、現状はどういった感じなのでしょうか?
ボランタリティーの気持ちを持って介護の現場に携わっている方が多く、やはりビジネスとしては中々難しい面もありますね。高齢化社会を迎えるにあたって多くの企業が介護ビジネスに参入していることも競争を激しくしている理由の一つだと思います。“探しっくす”では大手さんには出来ないような小回りのよさとか、お客様視点にたった情報提供につとめるなど、そうした部分で差別化を図っています。ユーザー像はその多くが介護を必要としている人の息子・娘世代の方々ですね。だいたい下は30代半ばくらい〜上は60歳くらいまでの方が、地方に住む両親の面倒を見ることができるのか不安に感じ、深夜にパソコンをカタカタやりながら老人ホームの「 資料請求」 をしたりという方が多くいらっしゃいます。私自身もその同じ状況の世代であり、少しでもこうした方々の役に立ちたいと思っています。
今後の展望についてもお教えください。
今後はいまやっていることをベースに、少し視点を変えた別テーマの“探しっくす”を展開していきたいと考えています。例えば“介護”の少し手前の元気なお年寄りのためのポータルサイトとか。明るい話題の少ない高齢期をもっと楽しく、素敵に感じてもらえるような(笑)。親子をキーワードにしたサイトをつくってみるのもおもしろいと思いますよ。
最後に、今の学生に向けてアドバイスをお願いします。
若いうち、特に20台は、何かに思い切って打ち込んでほしいと思います。「 石の上にも3年」 といわれるように、とにかく最初にやると決めた環境で3年はとことんやってみることが職業人としての基礎体力をつくる意味で大事だと思います。例えば社会人1年目で組み込まれた部署が失敗だったとしても、上司に恵まれなかったとしても、3年経ってもまだ25歳。そのあと辞めて別のところに移るにしても、まだ2回でも3回でもやり直しがきくのです。一方で最初から独立するもよし! 失敗を恐れずにどんどんチャレンジして欲しいですね!

どうもありがとうございました。























