株式会社 一休
森 正文 社長
訪問日5月25日(金)AM9:00〜9:45

――日経の記事を拝見させていただいたのですが、高級ホテルは名前にこだわるので営業のときにもご苦労をされたのかと思ったのですが、どうでしたか。
大変ですよ。でも一番考えたのが、一番上のブランドのホテルから入ったら営業しやすいと思って、ホテルオークラとかフォーシーズンズから営業してました。オークラは福岡とか神戸にもあるから波及効果もあるかというのと、まあホテルオークラっていうと非常に 歴史のあるホテルですからね。オークラが上か帝国が上かわからないけど、両方行ってオークラが先に入った。で、オークラがはいったことで非常にやりやすくなった。日本の会社はみんな横並びなとこもありますからね。
――営業で「契約を勝ち取る決めて」は何でしたか?
やっぱり必死だったって言うとこだと思いますよ、資本金がどんどんなくなるので、早くスタートしないとっていう…
――SPOCKを作るときも証券会社の広告を取りに行ったのですが、そのときに当然のことながら断られる事があり、意気消沈した事を覚えています。もしある企業から提携を断られたときはモチベーション的にはどうですか。
それは下がりますよ(笑) 誘って断られたらがくっときますよ。だけどまあ、それはいっぱい行くしかないよね。株で言うと分散投資じゃないですけど、どっかで野村とか大和が入ってくれるかもしれないとか。行ったとこから行くしかないでしょう、でも最初にいい広告をを取っておくと、「どこが入ってるの」って聞かれて、「野村も出しているならうちも」って中小もなるかもしれないし。でも逆に言うとそういうところが一番厳しいかもね、予算が決まってるから出す予算なんてないって言われるかもしれないし。
――「上から営業する・・・」と先ほど先ほどおっしゃいましたが、ホテルオークラを最初に取った事で何か影響はありましたか。
あったと思いますよ、最初の時は。ないホテルもありましたね。ただし別格中の別格だからっていうほどを持っているところ以外ですね。いろいろ営業したけどパークハイアットとか帝国ホテルは・・・。
――そちらのほうも一社一社ご訪問して…
そうです。みんなプライドが高いですからね。最初のうちは大変でした。
――そういうプライドを崩すためにといいますか(笑)そこを克服するための営業テクというのはありますか。
女の子を口説くのと同じでこまめにいくしかないよね、どっかのタイミングで合うかもしれないし。「本当に来るなら一回くらい営業つきあってやるか」ってなるかもしれないし。分かんないですよね。営業と女の子を口説くのは同じですよ。ただ、相手が男だし、組織だけどね。(笑) もう確率だよ、確率。彼氏と熱愛中のとき行ってもしょうがないけど、そういうのも半年経ってると終わってるかもしれないしね。行かないと向こうからは来ないんだしね。
――とても分かりやすいですね(笑)ところで、最近東京ミッドタウンができ、その目玉としてリッツカールトンホテルができました。それらは一休さんもしくはホテル業界にとってどのような存在なのでしょうか?
新しくできたホテルって感じですね(笑) 単価も高いし、ホテルができると競争も生まれますから。だからどんどんホテルは進出してほしいですね。
――それは御社一休様にとってはいい環境ということですか?
そうですね。だってオークションだって出品者が増えると盛り上がるじゃないですか。なので、どんどん出てきて欲しいですね。
――海外マーケットは視野に入れていますか?
今のところはないですね。やっぱり、海外への普通の旅行だとツアーの方が日本人は好きですからね。ヨーロッパだと言葉もぜんぜん違いますし。まあニューヨークやハワイくらいだったらあっても良いとは思います。ただ、そこにはもういっぱいありますからね。それに、日本語という障壁がありますから、ぱっと見てちゃんと予約ができたとか自信のない人も多いと思います。どっかでとは思っているのですが、今すぐということはないですね。
――ということは、日本に来る観光客に向けてのマーケットは考えていないのでしょうか?
やがては考えていますよ。中国の方とかたくさん来るだろうし。だけど、今度はそれで中国の方たちがどうやって調べるかと言ったら大変だし、政治的な影響で攻撃対象になるかもしれないし。だから良くも悪くもですよね。
――政治面、言語の壁がですか?
それがプラスに働くときもあればマイナスに働くときもあると思いますね。でも普通の流れでは海外に出て行くんでしょうけど。タイミングっていうのがあるのかなと思います。
――つまり企業努力だけではどうにもできない状況もあるってことですか。
まあ、今の新興市場株のような流れもありますからね。株もそうですよ。ワールドカップのサッカーみたいに突然大きな波が来てそこでサーフィンみたいに乗らないと。だけどいつまでも待っていると取り残されちゃうってこともありますからね。
――御社のような情報サービスの会社では、設備投資はどうしていますか?
していませんね。ヤフーもグーグルも買収に使っているだけで、ネット産業は設備投資にお金を使う必要ないんです。
――では従業員の方も増やす必要はないということですか?
ただ新しいことやるんで増やしてきてますけど、実際増やさなくてもできちゃうんですよね。新卒をとるにしても、男女関係ないし学歴も本当に見ないですからね、どこの大学かとか。
――なぜ上場されたのですか?
まあ知名度を上げるとか…でもあまり上場する必要はなかったんです、よくヨーロッパとかの会社の人では上場するほど落ちぶれていないって言うし。あとは検索サイトでどこも上場していなかったので一番最初に出てみたかったってのは大きいかな。
――就職活動を控えている身として気になるのですが、優秀というのは何をもって優秀というのでしょうか?
うーん、学歴をみる会社もあるし、でも新しくできた会社は大学がどこかなんて聞くこともないからね。でも、やっぱりやる気だよね、だって「とりあえず飲みにいこうか」って言うのと、「あなたのこういうところが気に入ったから飲みに行こう」って一言あるのとでは全然違います。後は縁ですからね。ただし僕はサークルにも体育会にも入ってないし、言うことには非常に困りました。何をやっているのかと言われるとなにもやっていないって答えるしかない。(笑)
――そのような中、就職で内定を勝ち取るにはどうしましたか?
まあ、おたくの会社に興味があるってことと、あとは「まあいいやこの会社」と思ったりすると逆に追いかけたくなったりするんじゃないかな?確率ですよ、株と同じです。
――起業を考えているのですが、そういう学生がいるとしたら、今のうちに勉強などするとしたらどういうことをアドバイスされますか。
起業ってのも確率ですからね。ベンチャー企業って零細企業ですから、やっぱり好きなものとか興味を持ってるものとか…。学生のうちに会社を作って成功する例もあるよね、例えばリクルートとか。
僕の場合、昔から会社を自分でやりたくて。何でも良かったんですけどね、ピザの宅配でも本当に。やりたいと思ったものが見つかったらやればいいけど、無理やりやることでもないしね。あと大企業に入らなくても働くことで分かることもあるから、無理して学生からスタートしなくてもいいと思いますよ。
――つまり、会社に入ってからでも、起業のチャンスは十分あるということですか?
あると思いますよ。やりたいことが見つかったらそのときがスタート地点ですよね。ウォーレンバフェットにしても本当にいい会社だと思ったら、それが高値だとしてもそれが買いだって言うし。でもそういうのにはなかなか出会わないというか、発想が浮かばないと言うのがほとんどの場合だと思います。時期については難しいから、アンテナを常に高くするとか感度を良くしているってことが重要だと思いますね。就職するにしても、企業は人ですよね。いろんなタイプの人を取りたいから、無理して体育会系の真似をするとかよりも、自分のスタイルでいいと思うんですよ。
――自信が沸いてきました!つまり、起業する時も変にこうしようととか考えずに、自分の思ったままにすれば良いんでしょうか?
まあ、ベンチャー企業なんてやりたいことをやるから、これをやりたいというのが見つかれば一番良いんじゃないですか。それでなんとか会社をやるための利益をもらわないと、会社って続かないから、「ある程度の利益をもらえればいいや」くらいが一番なんじゃないかと。私の場合、やりたいことっていうと、会社を作りたかったって事。ただ、会社っていってもいろんなのがあるから、「人に喜ばれる会社」っていうものをやりたかった。そこで資金面も考えて、インターネット企業をやるのがやっぱりいいと思って。それとホテルが大好きでしたから。そういった意味でこの仕事には熱意を持ってますね。
――ではなぜホテルでネットという発想にたどり着いたのですか。
偶然ですね。ただやはり、ヒントは営業している中にありました。営業中、ホテルの人の悩みを聞いていると「スイートルームなんてほとんど使われないので部屋をいっぱい売りたい」という事を知ったんです。
――ヤフーと提携なされましたが、どのような影響があるとお考えですか。
ヤフーのトラベルって集客力があると思うし、地方の人や年配の方ではヤフーを見る方が多いんですね。そうなると誘導のひとつになるんじゃないかなーと。
――ヤフートラベルは一般的なホテルを紹介していますが…
でもヤフーもいろんなものがほしいんですよね。
――ブランドと言うものに関してはどのような影響があると思いますか。
でもいっぱい売れるとホテルも喜び、あとは検索する人についてもヤフーがすべてだと思っている人もいるわけですから。年配の人なんてそういう人多いと思いますよ。だってグーグルの使い方だって、横浜のホテルに止まろうと思ったら「横浜」と「ホテル」って打ったらたくさん出てくるけどその中のどれがいいんだろうとか、そういうやり方を知らないとか。そういう中で、「一休は高いけどある程度だね」っていう安心感があるじゃないですか。そういうのと同じで、まあ「ヤフーの中で高級ホテルコーナーにはいっているから、それを利用しようかな」って思ったりするんじゃないでしょうか。
――企業価値を高めるためには何か意識している事などはありますか?
やっぱり業績ですよね。株ってずいぶん先を読み込んでくるから、不思議だよね。来年はどうなるんだろうとか、再来年はとかなるわけだから…
――今後は大きく伸びたいという感じですか?
そうですね、会社としても新しい事業をどんどん出して行こうと思っています。
――それはほとんど高級路線ですか。
その路線しかないですからね。ユニクロがある中で、エルメスになりたいって感じですよね。不況でも買いたいと思えるような。難しいですよね、数で勝負ってのは。
――つまり、今は固定客を増やそうと?
そうですね、皆さんが早く働いて彼女をパークハイアットにでも連れて行ってあげてとか。(女性だと)これぞという男におねだりしてみる。なるべくいいとこを取ってみてよと言うことで相手の値踏みをする。この程度にしか見てもらっていないのかとか(笑)
このようにいろんな形で一休を利用してくださると嬉しいですね(笑)。
―どうもありがとうございました。
EditRegion5






















