2005年5月29日 WILLB Yokohama 専務取締役 甲斐 輝彦 氏 インタビュー
● 経歴
大学 1 回生の 5 月より日本ブリタニカのエージェントとして訪問販売を行う。その後、 2 回生の 5 月に大学を中退しプロエージェントに転進。
その年(当時 19 歳)、 weekly 、 monthly 、 quarter 、での売上世界 1 位を受賞。経理財務総務責任者と新規開拓営業。会計処理全般、銀行・証券会社・ベンチャーキャピタルと・税理士との折衝を担当。税理士事務所勤務(当時16社担当)の経験を活かして、取引発生から税務申告までの処理を担当。その他、社保・雇保などの各種届出も担当。
新規開拓営業では、外資系出版会社でのフルコミッション営業経験(3年)を活かし、大手請負会社を顧客獲得に成功。その後、担当営業マンとして求人広告などの企画を提案販売し、その顧客からの出資を纏め、大手請負会社のグループ会社とすることに成功。
現在は取締役 IPO 準備室長として、証券会社やベンチャーキャピタルとの折衝の他、大口顧客との折衝にあたっている。
―学生時代はどんなことをされていましたか?
高校は商業高校に通っていました。高校を卒業して、名古屋の愛知大学院大学の経営学部に入りました。大学1年の五月からはブリタニカという会社で学生をしながら、百貨事典を売る訪問販売を始めました。大学ではギターのサークルにも入っていましたね。授業も簿記はよくできたし単位もちゃんと取っていたのですが、営業の方が中心になってきて中退しました。祖母のお葬式に欠席してまで入った大学だったので、中退するときは迷いましたね笑。ただ当時に比べると収入面よりも人間的に向上したので、今のところその選択は正しかったと思っています。
―当時やっていた営業について教えてください
きっかけはスカウトで、フルコミッション(100%出来高)でした。もともとビジネスに興味があり、また自分のもっとも得意な分野は飛び込み営業だったので、当時は月100万円くらい稼いでいましたね。19歳のときは世界ランキング1位になったりしていました。その一位を取れた秘訣というか、自分が他人と違うなと思ったことをあえて挙げるとすると、自分は本音でしかしゃべらないということでしょうか。本音で話すから信用されやすい、従って売り上げは上がりやすいのかなと思います。私の鉄則は、ものは売るものではなくて、相手が買うものであると思っています。だから相手が買いたいと言うまで売りませんね笑。今は法律がしっかりしているので、買いたいと思わないで買ってもクーリングオフになってしまうんですよ。当時自分は天才だと思われてましたね笑。 こういうケースにはどういう言い回しがいいか、といったトーク集を私はたくさんもっていたのですが、関西・東海の支店ではそれを全部真似して使っていたそうですから笑。
大学中退後はブリタニカにプロのエージェントとして入ったのですが、二年後にやめてしまいました。
―それはどうしてですか?
営業に疲れてしまったんです。1位を取ってしまうと自分は能力があるんだとテングになっていきましたが、それでも訪問販売をするときにはお客にとっては初対面ですから一から説明しないといけない。それが BtoC の一番疲れるところなんですよね。
しかも、社内では売れて当たり前という目になります。それに加えて、19歳にして部下の教育もしなければならず、大変でしたね。
そうした理想と現実のギャップ、あとは、営業職そのものに非常に疑問を持ちましたね。
正直、営業職って若さで乗り切れるようなところがあるので、年をとってからが心配に思っていましたね。だって、体力と売上が比例してるんですから。そんな若さを売るような営業職に見切りをつけたのがプロのエージェントになってから 2 年後でした。
その後三ヶ月警備をやって、一年半税理士事務所で働いて、友達に誘われて半年ほどたこ焼き屋風の居酒屋を経営して、不動産屋に勤めて、塾の経理部長、大工、 J-PHONE などの転職を経て、今の WILLB という会社に入りました。その後も更に転職が続きます、時計販売、福祉施設、システム会社などなど・・・なんと合計で15回も転職してますね笑。
昨年の6月から WillB Yokohama で専務取締役としてやっています。今の仕事も含めて毎回友達に誘われて仕事をしていて、他の人に比べれば自分は過去の実績もあり優秀だと思っていますが、時間が経てばそうでなくなる日が来るかもしれないですね。私と同じくらいの能力の人たちが増えてきたら私も優秀というわけではなくなるでしょうし・・・
―社員の平均年齢が25歳ということですが、あえて平均年齢を低く保っているのですか?
あえて、ということはないですね。当社は広告代理店なので自然と若い人たちが多くなるのかなと思っています。それに加えて、当社の仕事は IT 系の技術が必要になるのでその技術を持っている人が必要になります。 IT 系の技術を持っている人というのは、やはり若い人が多いんですね。そうした結果として平均年齢が20代になっているという感じです。
― IPO を担当されているということですが、上場するとしたらいつ頃を目途に考えていらっしゃいますか?
当社は親会社が公開しなければ公開できないので、まずは親会社の 日総工産 からになりますね。当社の目途としては2010年くらいを考えています。
―上場のメリットについてはどうお考えですか?
IR には年間約1億〜というコストもかかりますが、今の日本の資本主義経済では最高の形が東証一部であると思っているので、そこを目指してやっています。現在当社は親会社 日総工産 のハウスエージェンシーであり、親会社以外からは広告収入は約 30 %です。しかし上場するとなれば、将来的にはビジネスモデルを変えていくことも視野に入れて、親会社だけでなくそれ以外の会社からも更に広告収入を取っていこうと考えています。
―株式投資についてはどういったスタンスで運用していますか?
投資歴は3〜4年くらいです。昔はデイトレードもけっこうやっていましたね。あとは日経225の先物もやっていました。リスクが高いので今はやっていないですけど笑。 最近は東証一部の銘柄を中心に3ヶ月前後の中期で運用しています。ただ今年は、7月くらいまでは様子見かなと思っていますね。個人的には IT 銘柄はあまり好きではないですね笑。 比較的安定したメーカーなどをよく買っています。税理士事務所で働いていた経験から裏側から財務諸表が読めるのが強みですね。
―今年就職活動を控えた学生へのアドバイスなどあればお願いします。
今日本にある職種は全部で五万職種とも言われています。そして、ひとつの職種に幾千万社もあると思います。その中で、あなたの人生にとってぴったりの会社を一発の就職活動で見つけることができる確率なんてどれくらいあるのでしょうか?!宝くじで1億円を当てる確率とどっちが高いんでしょうね笑。つまり、絶対にといえるくらい無理だと私は思っています。そういう意味では就職活動は基本的に成功しません笑。しかし、それでは親や周りの人は投資リスクの計算を入れてくれてないから、高い学費を払ったんだからその分いい企業に就職しなさいよ、となる。ただ、いい会社に就職しなければいけないというのはあると思うんですけど、あせってもあまり変わらないと思います。以前学生にマナー研修をやったときに、それに参加した学生達はどの会社にもあてはまるマナーを教えてくださいと言っていましたが、それってずるくないかと思うんですよ。今まで正しい生活が送れていなかったのをわずか一日で自分の人生を帳消しにするような裏技を求めにきたって、それではうまくいきません。結局だましだましでは就職活動は厳しいんですよね。会社に入ることがゴールではないので、そうやって過去のツジツマを合わせるように就職活動の直前にうまく合わせたって、入社してからその反作用が絶対にくることになります。
また、今の大学生はどちらかというとセオリーな方法で失敗しないように人生いきていこうとしているように思えます。私は守り重視の姿勢には賛成しませんね。だって、完璧な選択ができるほど世の中のこと知ってるわけはないんだし。知ってるなら学生やってないでしょ笑。
あと、転職に対しては私は個人的には賛成ですよ。でも、私ほどするのは微妙ですが。私の自論ですが、日本は昔から終身雇用という形が好まれていました。ひとつのことを黙々と頑なに続ける姿は、剛毅木訥仁に近しなんて言われて非常に高い評価を受けるのは確かです。しかし、本当は人間って何でも年齢と共に好みは変わるものですよね。食べ物もそうだし、好みの彼氏彼女もそう。それは、いろいろなことを実際にやってみてから解ることの方が多いからです。イメージと現実はやっぱり違うんですよね。だから、職業に対してだって、就職してみたら思っていたのと違うっていうのは当然だと思うんですよ。では、実際に体験をしてから、好みが変わるのって悪いことなのでしょうか?私には、一方的に悪いという理由が思いつきません。一般的に10年同じ仕事を続けると、その業界では身につけた技術で飯が食えるという尺度はありますけど、よく考えて今の嫌な仕事に見切りをつけることがプラスになる人はたくさん居ますよ。だって、人生には限りがあるということは時間そのものが命なんですよ。嫌だ嫌だと言ってる間に、命は削られて行くんですよね。だから私は他人の評価よりも、その「時間=命」の方が大切なんじゃないかなって思うんですよ。
あと、もし現時点でやりたい職種が決まっていない学生に関しては助言を言うなら、まずやりたくない仕事を列記することも気づくきっかけになることがありますよ。そのやりたくない職種を探すという意味で、いろんな会社のインターンもいい方法だと思います。その後、ある程度絞った中で、今何がやりたいか、5年後10年後にどうなっていたいかを考えて、それらを一直線上にするにはどうしたらいいかを考えるべきです。一直線の方が曲がっているよりも距離が短くなるでしょ?だから、距離が短い方が人生は効率的だからです。さっきも言いましたが、人生には限りがあるんだから、遠くに進みたい、あの高い山に登りたいのであれば効率的な行動をとらないと無理です。ですから、一直線にするには、10年後の目標を変えるか、5年後の目標を変えるか、今のやりたいことを変えるのか、は人それぞれだの好みです。あと、目標を変える時には、自分自身の優先順位が解っていると無茶な目標を立てなくても良いので楽です。人間は必ず、@家庭、A仕事、B趣味、C健康、D社会貢献のどれかの行動を取っているといわれています。この5つの中で自分のなかの優先順位をつけて自分を分析し、目標設定をするのも有効な手法です。もしも、優先順位が低いことに無理無茶な目標を立てるのは、誰も幸せにしませんよ。例えば、
C健康が一番の優先で、 2 番目の優先が@家庭の人が、体を壊すほどのハードワークの業種に就職しても、多分、誰も幸せになりませんよ。いろいろ試してみて下さい。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
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