2005年12月6日
EVENT. 52 株式会社ネットプライス 代表取締役社長兼CEO 佐藤輝英 氏インタビュー
12/6、SPECは恵比寿に本社を構えるネット・プライスの佐藤社長を訪問させていただきました。大変お忙しい中、貴重なお時間を割いていただきありがとうござました。
佐藤社長は、慶應の総合政策学部を卒業なさっている我々の先輩です。 30歳を前にして、上場企業の社長になられた佐藤社長のアドバイスは、 起業を目指す学生にとっては大変貴重なものになるでしょう。必見です。
佐藤社長プロフィール
1975:愛媛県生まれ。
1993:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス総合政策学部入学
1995:大学3年時、インターネットでビジネスをやろうと決意。
1996:大学4年時、北尾吉孝氏に会い、ソフトバンク入社を勧められ入社。
2000:ネットプライス、代表取締役に就任。
2004:ネットプライス、東証マザーズ上場。
SPEC:最初に御社の設立についてお聞かせください。
伊藤氏(執行役員兼社長室長):はい。当社は99年にサイバーエージェントの一事業部という形でイーコマースの専門チームとして設立されました。 当時、佐藤はソフトバンクさんでイーコマースのビジネスをやっていまして、そういった経緯から、サイバーエージェントがネットプライスを作りましたと営業に行き、佐藤を代表に向かいいれたところからネットプライスが始まりました。
SPEC:御社のビジネスの特徴として、ギャザリングが挙げられますが、ギャザリングを思いついた経緯をお聞かせください。
伊藤氏:設立当初からイーコマースをやるということは決まっていたのですが、 具体的に何をやるかは決まっていませんでした。 インターネットを利用したコマース(流通)の案として、ネットプライス設立当事、オークションというものがありましたが、すでにヤフーさん、楽天さん、DeNAさんがやっていて、全然新しくなかったんです。 でも、ネットならではの仕事がやりたくて、逆の発想から考えました。 オークションは、人が集まると価格が上がっていきますが、逆に下がるモデルですね。 ギャザリングは共同購入の概念と同じで、お客様の購入申し込みが集まれば集まるほど、段階的に価格が下がっていきます。 これは全く難しいことではなくて、まとめて買ってくれる人には安くできるという昔からあった概念をネットに応用しただけなんです。でも、八百屋では値引きは1対1での交渉になりますが、ギャザリングはネットのコミュニティー性を活かしたところも特徴なんです。ネットを通じたコミュニティーを対象にして、お客様に共同購入を申し込んで頂くことで、安く商品を提供できるんです。それを新しい固有名詞を使って始めたのがギャザリングの始まりですね。
SPEC:ギャザリングで扱う商品は何を基準に決めているのですか?
伊藤氏:1週間の販売期間に850種扱っているのですが、半分はお客様からのリクエストです。ギャザリングは、お客様にもわかりやすいモデルなんで、自分が欲しい商品がギャザリングされれば、自分も安く買えるのではと思うわけです。 そこで、ギャザリングは、インターネットのインタラクティブ性(双方向性、対話型)が生きてくるわけです。これも、ギャザリングの特徴のひとつです。 そして、残りの半分はメーカーさんが持ってきてくれたものを取り入れています。
SPEC:大学時代はどういった活動をなされていたのですか?
佐藤氏:僕はSFC4期生なんですが、当時からネットでビジネスがしたいと思っていました。それで、大学3年の時ですね、北尾氏に会ったんです。 その経緯は、僕がアメリカのインターネットビジネスの研究をする中で、日本進出をしようとするアメリカのイーコマースの会社と繋がりが持てたんです。 その会社のパートナーがソフトバンクだったんですが、メールのやり取りから、 アメリカの会社から「Mr.北尾に会え。」と言われまして訪ねたわけです。 北尾氏に、僕の熱い思いを語ると、ソフトバンクへ来いと呼ばれまして、学生のころからソフトバンクに出入りを始めました。だから半分は仕事していましたね。
SPEC:今まで経営をやってきて楽しかったことは何でしょうか?
佐藤氏:やっぱり目的を達成できたときは楽しいですよね。 一つ目標を達成すると、次の目標が見えてくる。目標を達成し続けることが事業だと思います。 あと世の中にその会社が認知されることも喜びですね。 今でもご飯食べて、領収書切ろうとしても、ネットプライスなんておばちゃんにはわからないことが多いんですよ。三菱商事、みずほ銀行と言ったら、おばちゃんでもわかるわけですよ。そうなりたいですね。 その過程が楽しいし、そういう理想と現実のギャップを埋める過程が楽しいですね。 それを自分の手でやれるというのは、やっぱり喜びですね。
SPEC:あちらの(社長室)本棚に沢山本が並んでいますが、学生時代も読書は頻繁になさってたんでしょうか?
佐藤氏:今もそうですが、学生時代も乱読していましたね。 そこから、昔にもこんな人がいたんだなとか、運って大事なんだなとか学びましたね。 チャンスは貯金できないんですよ。チャンスが来ても、それを待つ理由が100個くらいでてくるんですが、人間って待つ理由を考えるのは天才なんですよ。スキルがないとか親がどうだとかね。 でもチャンスは待ってくれない。 その場で掴みに行くほうが、結果として人生幸せになれると思いますよ。
SPEC:学生時代もそういう思いで行動なされていたんですか?
佐藤氏:そうですね。 北尾氏に会った翌日には動いてましたね。
SPEC:佐藤社長は社長という立場から、どのようなことに注意して皆をまとめていらっしゃいますか?
佐藤氏:それは話すことですね。そして、自分の思いを伝え続けること。 みなさんにも家族がいますよね。親、兄弟でさえも、考えがズレますよね。 「何で俺のことわかってくれないんだ。」といった具合にです。 社員なんてもっとそうなんですよ。 同じ目的を持って、この瞬間に集まっているというところは共有していますが、 基本的に生まれも育ちも違うわけですから、ズレるんですよ それを埋めるのはやはりコミュニケーションなんだと思います。 それも下からのコミュニケーションよりは上からのコミュニケーションの量の多さが大事だと思いますね。 フォーマル、インフォーマル含めていろんなことをしますよ。 そして理解し合えて、同じ思いさえあれば、何か打破できますよね。
SPEC:御社は新しい若手を採るときどういう人材を求めますか?
佐藤氏:一番は永遠の向上心を持った人ですね。 ここまで来たら頑張ったといわない人。 そして、創意工夫ができる人。 思ったことって、5割うまくいって、5割うまくいかないんですよ。そのうまくいかなかった5割を、こうしたらうまくいくかと考えて、実行するために創意工夫が必要なんです。
SPEC:これからの夢についてお聞かせください。
佐藤氏:僕はインターネットをフル活用した「ネットの小売り」を形にしたいんです。 ギャザリングという参加型のモデルをまず年商1000億円の規模に仕上げる。 そして、1000億になると、ようやくコンビニだとか、百貨店、100円ショップのような「業態」になると思うんですよ。 家にいながら良いものが安く買えて、さらに商品のリクエストもできる、そういう心地よさを追求していきたいですね。 その一つの現れた数字が年商1000億円なんだと考えています。それが達成できたら、次の尾根が見えてくるんでしょうね。
SPEC:学生の間で投資クラブが増えてきて、若い人にも投資が普及していますが、それについてはどうお考えですか?
佐藤氏:いいことだと思いますよ。 自分で自分のお金に責任を持たなくてはいけなくなるので、必死になるし貪欲になりますよね。僕もこの間子供が生まれまして、その子供が小学生くらいになったら100万くらい渡して投資させたいですね。 それによって、企業を知るし、企業の論理もわかる。それで仮に100万が0になっても、その子供にとっては大切なものになるだろうから、とてもいいことだと思いますよ。
SPEC:最後に今の学生や、若くして起業を目指す人にメッセージをお願いします。
佐藤氏:思ったらすぐ行動してもらいたいですね。 若い人がチャレンジするリスクは限りなく0に近いですよ。チャレンジしないリスクのほうが大きい。だからチャレンジしていただきたい。1回失敗しても、次チャレンジするときに成功率は高まりますからね。僕等も最初8億赤字を出して、会社潰れると思ったんですが、それでも立ち直ったし、そんなもんですよ。 経験者としてもオススメします。 あと世界から見た自分を意識したらいいと思います。 世界から見た自分ってどれくらいかというとちっぽけですよね。 世界には、20歳で何かを成し遂げようとする人がいる。 そう考えると焦るでしょ? それが大事なんですよ。待っていられなくなる。頑張ってください。
総括
今回、佐藤社長、伊藤室長は学生である我々のインタビューにも関わらず、真摯に答えてくださいました。今回のインタビューを通じて、今まで以上に我々もドンドン思いついたら行動に移していきたいと思うようになりました。 私たちの為にお忙しい中、お時間を割いていただいた佐藤社長、伊藤室長にこの場を借りて厚くお礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
*この文章は全て春尾が作成しました。全ての責任は春尾の所存になります。























