2005年8月16日
EVENT.48 株式会社シンプレクス・テクノロジー 代表取締役社長
金子 英樹 氏インタビュー
お忙しい中お時間を割いていただき、インタビューをさせていだきました。

8月16日、SPECは日本橋にある、金融フロンティア領域に特化した本格的な金融ハイテクベンチャー、シンプレクス・テクノロジーの金子社長を訪問させていただきました。
シンプレクス・テクノロジーは東京証券取引所の承認により、東京証券取引所市場第一部への上場が承認され (上場日:2005年9月1日)、業界の中でも今一番、波に乗っている会社です。
URL: http://www.simplex-tech.co.jp/
金子社長プロフィール(シンプレクス様から頂いた資料から抜粋させていただきました)
経歴
1987年3月 一橋大学法学部卒業
1987年4月 アーサーアンダーセン アンド カンパニー(現アクセンチュア)入社
コンサルティング部門シニア・スタッフ
1990年11月 キャッツ ジャパン入社(外資系金融システムパッケージベンダー)
アカウント・マネージャー
1991年11月 ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社入社
デリバティブ・アナリシス部門 バイスプレジデント
1997年9月 株式会社シンプレクス・リスクマネジメントを設立
2000年8月 株式会社シンプレクス・テクノロジーに社名を変更
代表取締役社長に就任
2002年2月 JASDAQ上場(設立より4年5ヶ月)
2004年5月 東京証券取引所市場第二部上場(設立より6年8ヶ月)
2005年9月 東京証券取引所市場第一部上場(設立より7年11ヶ月)
ご挨拶と自己紹介を済ませ、金子社長からの会社説明の後
インタビュー開始

Q:金子社長は文系出身とお聞きしましたが、システム開発についてはいつ学ばれたのですか?
A:一番最初の会社に入った時に学びました。
Q:なぜシステム開発を仕事に選ばれたのですか?
A:もう20年も前の話ですが、私は一橋大学出身ですけれども、当時一橋大学自体にコンピューターがそもそもなかったと思います。コンピューターというものを大学で一度も見たことがありませんでした。もちろん当時はパソコンというものもありませんでした。それにシステムという言葉を知りませんでした。システムという言葉がコンピューターに関連するものだ、という概念が当時は全くなかったんです。だから最初に働いた会社(アーサーアンダーセン、現アクセンチュア)も、当時はコンサルティング会社だと思って入ったんですけど。全然違ってましたね。
Q:文系の人間がシステム開発等、理系の仕事を行うのは難しいのでは…?
A:システムの仕事でまずイメージされるプログラミングなども、大半の事を覚えればいいだけの話ですから、特に理系の人向きの分野だとは私はまったく思ってないですね。
Q:システム作りはやっぱり理系の仕事というイメージがありますが…。
A:いや、僕は全然気にしてませんね。むしろ文系の方がそういう仕事はあっていると思ってますよ。新しいアルゴリズムを発見するような、ものすごく限られた天才的な人には確かに理系のセンスが必要だと思います。ですが、一般的な技術なんて、そんな頭使わないですよ。上、中、下と分けた時、上の頭を持っていれば、文系だろうが理系だろうがいいんです。コンピュータ言語なんてほんと覚えればいいだけですから。例えば文系の人のほうが、世界史覚えたりするの得意でしょう?(笑)
Q:学生時代についてお聞かせください。まず学生時代は何をしていらっしゃったんですか?
A:バイトばかりやっていました。結構稼いでましたよ。
Q:金融に興味をもたれたきっかけは…?
A:金融には最初まったく興味はありませんでした。就職活動の時期は、どうしようかと本格的に悩んでいたのですが、ちょうどその当時に有名になり始めていたマッキンゼーの大前研一さんの本を、たまたま友人が借してくれて、その本を読んだらこれがすごくおもしろくて、すごく感化されましたね。それで即コンサルティング会社を希望するようになったんです。当時の僕は、大学に入学してからずっと知識欲を満足させていない 4 年間だったので、 4 年ぶりに知的なことに触れたこの大前さんの本はすごく衝撃的でした。その後、最初に就職活動に行ったアーサー・アンダーセン(現アクセンチュア)の入社がすぐ決まりました。入社当時は、アンダーセンがマッキンゼーの様なコンンサルティング会社だと思い込んでいたので、仕事は会社訪問して社長さんと経営について語り合うのかと思ってたら、まったく違ってましたね(笑)。その時始めてコンピュータを勉強しなさいと言われて、そこで必死に勉強したシステムの仕事は今につながっています。
でも最初に入社した会社がアンダーセンですごく良かったと思っています。今、当社の経営陣も ほとんどがアンダーセン出身者です。アンダーセンはすごく質のいい教育をしてくれて、教育というか競争をさせてもらったし、とにかく理不尽な中で、すごくがむしゃらに働くってことをものすごく学びました。これはすごく感謝してます。
その後、僕がシカゴにいた頃のアンダーセンの上司の誘いで、金融機関向けのデリバティブのパッケージシステム開発を行っていたシリコンバレーのベンチャー企業に転職したことが、金融に興味をもった直接のきっかけです。
Q:社長としての業務をこなされて、さらにIT +金融という専門的分野の中で、ご多忙とは思いますが、知識を吸収するにあたって、心がけている事は何かありますか?
A:うーん、人に会わない事かな。普通、ベンチャー企業の社長さんっていうと、自分の見識を広げるためだとか、自分の考え方にいろんな影響を与えてくれるかもしれないからという事で、夜は常に人と会う約束が入ってたり、日中にしてもいつも 4、5件アポがあったりして、いろんな人に会っている方が多いですけど、私はプライベート以外でそういう予定はほとんど入れてません。基本的には引きこもりなんですね (笑) 。ずっと会社にいるんですよ。で、誰とも会わない。引きこもって実務ばかりやってる。
要は他の人と会って、確かにいい考えに触れて、この人すごい事考えてるな、と思うこともあるし、刺激を受ける事もあるけど、実際そう感じるのは 10人に1人くらいなんです。1人の人に会うために10人中9人と無駄な時間を過ごさなければならない。そういう時間を無駄に過ごすつもりが私にはなくて。それだったら実務でもやってようと、そういうことです。
それと、そもそも僕らはマーケティングの会社ではなく、オペレーションの会社だということも関係していると思います。マーケティング主体でビジネスを進めていく会社のトップの方々は、どんどん人に会って、世の中がどうなっているのかを知って、本当に自分の会社がやっている領域がこれから広がるのか、何か新しい領域はないだろうか、といったようなことを常に考えながら、どんどん手を出していく必要があるから、常にいろいろな人に会う必要があると思います。それに対して僕らは 500億円 という小さなマーケットの中でのシステムソリューションの提供というオペレーションで勝負している会社だから、社長の私自身もオペレーション業務能力を磨かなきゃいけないしね。
社員がオペレーションやっているのを見て、何が問題かを必死に考えなきゃいけなくて、他の人から すばらしいアイデアを聞いている場合じゃないんです。
僕からすると、社長のタイプは 2種類に分かれていて、1つは拡散的にバランスをとってやっていくタイプの人と、もう一つはどんどん先鋭化していくようなタイプの人。僕は明らかに後者ですね。
Q:土日もずっと働かれているんですか?
A:最近働かなくなりましたね。最初の五年はずっと働いていましたよ。最近は土日のどちらかは必ず休んでますね。
Q:本はどのくらい読まれますか?
A:本はすごい読みますね。難しい本だけじゃなくて雑誌も漫画も好きだし、移動中はずっと本を読んでます。
Q:休日は何かスポーツとかされたりするんですか?
A:スポーツは…二週間前から水泳を始めました。学生時代はサーフィンをやってました。
Q:大前研一さんとはもうお会いしたんですか?
A:大前さんとはまだお会いしたことないんですよ。ぜひ一度お会いしたいですね。著書に書かれていた大前さんの考えは、どういうところから思いついたのかすごく聞いてみたいです。その人のすばらしい考えに至ったプロセスなどを聞いてると、「ああ、深いな」って思います。
ただ、そういう考えを聞いてると僕はすごく影響を受けやすいので、いいなと思うと影響され過ぎてしまうところがあって、それはあんまり自分にとってはよくないと思っています。間違っても信じた道を研ぎ澄ましていった方が、結果として自分の想いが社員にきちんと伝わる。他の人のやり方を真似するよりも、どうやったらうまくいくか自分で考え抜いてやった方が、同じことをするにしても差が出てきますね。
Q:大前研一さんの本で特に印象に残っているものはなんですか?
A:「世界が見える、日本が見える」ですね。これを読んでものすごく論理的だなと思ったんです。大前さん曰く、結局経営コンサルティングという仕事は、理論的バックボーンをきちんと作っていく事で、そのためには理論の展開論理力がもっとも求められる能力だそうですよ。
*今回インタビュー記事に載せきれなかった事も含めて、金子社長にはお忙しいところ様々なお話をしていただきました。
この場を借りてあらためて厚く御礼申し上げます。
・このログは合田が担当しました。全ての責任は合田にあります。























